ファイヤーキングは、アメリカのガラス会社「アンカーホッキングカンパニー」が製造した耐熱ガラス容器のオールドブランドです。
半透明でぽってりとした質感のガラスはミルクガラスと呼ばれ、独特な透け感やミルキーかつポップな色使いは世界中のファンから愛されるコレクティブルアイテムとなっています。 ヴィンテージミルクガラス食器の中でも、とりわけファイヤーキングはアメリカンヴィンテージ食器を代表するブランドで、アンティークアイテムとして人気は止まることなく、年々価格が高騰し続けています。

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ファイヤーキングの製造期間は、1942年~1976年のわずか34年間。
その歴史は、アメリカのオハイオ州ランカスターに始まります。

発端となった1905年創業の小さなガラス製造会社、ホッキンググラスカンパニーが事業拡大とともに吸収合併を重ね、1937年にアンカーホッキングカンパニーとなりました。
そして、1942年、現代でもコレクターを魅了してやまないファイヤーキングブランドが誕生しました。
ファイヤーキングは、製造当時にはコレクティブルアイテムではなく、日常使いの家庭用食器として製造販売されていたそうです。

オーブン料理のほか、当時普及が広がった電子レンジで使用できる耐熱性ガラスウェアとして大量生産されたファイヤーキングアイテムは、手ごろな価格で購入でき、地元の食料品店やガソリンスタンドなど様々な企業やショップの販促品としても幅広い需要がありました。中でもファイヤーキングマグは、企業ロゴやキャッチコピーが入った販促用グッズとしてもノベルティーアイテムとしても人気を博し、その種類の多さは現代でもコレクターの収集意欲を掻き立てる要因になっています。

ファイヤーキングは、1976年の生産終了まで数多くのラインナップを生み出しました。
ファイヤーキングアイテムは、マグカップのほか、カップ&ソーサー、ボウル、キャセロール、プレート、クリーマー、花瓶などラインナップが豊富です。

デザインパターンも、レストランウェア、ジェーンレイ、スワール、アリス、シェル、チャーム、プリムローズ、ウィート、キンバリー、ブルーモザイクなど数多く登場しました。このうち、ファイヤーキングの代名詞ともいえるジェダイカラーが美しいレストランウェアシリーズは、近年最も人気の高いシリーズです。

レストランウェアシリーズのアイテムは、丈夫な業務用レストランウェアとして製造販売されていましたが、1980年~1990年代に活躍したアメリカの料理研究家、マーサ・スチュアートが自身のテレビ番組で紹介したことによって、レストランウェアシリーズの人気は一般家庭にまで拡がり不動のものとなりました。
そのため、レストランウェアシリーズは2000年から新しい型を用いて再リリースされましたが、刻印は「Fire King 2000」になっており、オリジナルのレストランウェアシリーズとは区別されています。

無地単色のDハンドルマグは、レストランウェアと並びファイヤーキング初心者からベテランまでコレクターに大変人気が高いアイテムです。
カラーはジェダイをはじめ、ミルクホワイト、アイボリー、ターコイズブルーなど材質にカラーを練り込んだマグのほか、アズライト、ローザイト、パステルイエローなどホワイトマグにカラーを吹き付けてコーティングしたマグもあります。
特に、クリーミーなターコイズブルーカラーを練り込んだターコイズブルーDハンドルマグの製造期間はたった3年で、入手は年々非常に困難になり稀少価値が上がっています。

ファイヤーキング・キンバリーphoto by Cheryl

このように当時から身近な食器として人気があったファイヤーキングですが、当時の製造方法では非常に生産コストが高く、製造管理にも高度な技術が必要なことから、残念ながら1976年に製造終了となりました。

製造終了後もファイヤーキングの人気は根強く、特に日本での人気は高まる一方だったため、2011年に「ファイヤーキングジャパン」が設立され、生産の地も日本に移し、現在もファイヤーキングジャパンアイテムが製造販売されています。
ファイヤーキングジャパンのアイテムは、ヴィンテージファイヤーキングとはデザインやパターン、製造方法に違いがあり、当時のオリジナル品とは区別されています。

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